Hello the Masking Face 店主敬白&番頭日記

釣具を扱うビンテージタックルウェアハウス「Hello the Masking Face」の主と番頭が綴る日記です。

番頭日記20150722 偏光グラスのお話し。

どうもどうも。番頭です。
なんだか今度の週末は復活した台風12号がやってくるとか。
ま、そんな懸念はあるものの、梅雨も明けて、いよいよ夏です。
この時期はサングラス、特に水面の照り返しのキツい水辺で過ごす釣りという遊びでは、偏光グラスが欠かせません。
今までにも書いたことがあるかもしれませんが、今回は、そのサングラスや偏光グラスについてのお話しを少し。


今どきはどんな安物のサングラスでも一応はUVカットを謳っています。
でも、たいていの場合、どれだけ防ぐのかまでは言及されていませんよね?
UVカットがきちんとされていないサングラス、っていうのは、結果的に可視光を遮りながらも、紫外線だけは選択的に通してしまう、といったことが起こりかねません。
そういったサングラスをかけると、視界が暗くなって瞳孔が開き、その状態でまともに目、網膜が紫外線を浴びることになってしまいます。
これが目にいいはずがありません。
また、レンズの歪みやフレームの不出来が頭痛を招く、なんてことも起こりえます。
実際に番頭が昔使っていた釣具屋で買った激安偏光グラスは、2時間くらいかけていると頭が痛くなって、おおいに困りました。
それに懲りて以来、少しずつ高いものへとシフトしていったのですが、それで学んだのは、サングラスや偏光グラスに関してはお金をけちってもまったくいいことがない、ってこと。
ま、道具なんてなんでもそうかもしれませんが、サングラスはある程度以上の金額を出さないと、きちんとした製品が手に入らないのです。
いや、フレームの精度や作りなど、細部まで見ていくと、えらい高い製品のなかにもひどい作りのものもけっこうあったりするから困ります。
たかがサングラスと思うかもしれませんが、感覚器に対する器具だし、特に高いものを選ぶなら、表面的なデザインやブランドイメージに惑わされることなく、慎重に選ぶべきでしょう。


で、どうせサングラスをかけるなら、UVをきちんとカットしてくれて、歪みがなく、偏光度、可視光透過率の高い、いいレンズの入った偏光グラスがオススメです。
偏光グラスは水面の乱反射を抑えて水中の様子が見やすくなることから、釣り専用みたいに言われることも少なくありません。
でもそれは大きな誤解で、窓のガラスだったり、空気中の微粒子なんかで起こる乱反射も抑えてくれるために、街中でも景色がシャープに見えるようになるのです。
ちょっと写真に凝っている人なら風景写真を撮影する際、レンズに偏光フィルターを装着するのですけれど、あれと同じこと。


偏光レンズの専門メーカー、TALEXのレンズは色が豊富で、その色ごとに可視光透過率と偏光度がきちんと明記されているうえ、色の再現性コントラスト、明るさの3項目についての視覚的なバランスシートも用意されています。

レンズカラーラインナップ | TALEX | タレック
http://www.talex.co.jp/product/lenscolor

自分の使用目的や好みに合わせて、レンズカラーを選ぶ、といったことができるのは、さすがレンズの専門メーカーならでは。
個人的には、釣りはもちろん、街中で使う日常のサングラスとしても、このTALEXレンズの偏光グラスがオススメです。
ティムコの「サイトマスター」シリーズをはじめ、ダイワのコラボレーションモデルなど、今ははじめからTALEXレンズの入った偏光グラスもけっこう売られているので、そういうものを選んでもいいですし、あるいは対応しているメガネ屋さんで、自分で選んだフレームにTALEXレンズを入れてもらうことも可能です。
TALEXレンズの入った既製品を選ぶ際は、単に好みで選ぶのではなく、前述のレンズカラーラインナップをよく見て、その特徴を調べてから買うのがいいでしょう。


TALEXレンズの偏光グラスが欲しいなら、既製品を買うほうがどっちかというと、安上がりです。
ただ、既製品を買う際には、フレームの作りはきちんと見たほうがいいでしょう。
番頭がかつて使っていた金属フレームの製品は、2年弱ほどの使用で表面のコーティングが割れてはがれはじめ、とてもみすぼらしくなってしまいました。
また、店頭に並んでいた定価4万ほどの製品を手に取ってみたら、ツルを止めている蝶番が明らかにナナメに溶接されていた、なんてこともあります。
先にも書いた通り、メーカーによってはレンズはよくてもフレームがダメ、って製品もあるのです。
設計やデザイン次第なところもありますが、たとえばある程度いいフレームの製品であれば、レンズが傷ついたりしてしまっても、レンズだけを交換して長年に渡って使い続ける、といったこともできますし、結果的に安上がり、なんてことも。


番頭が個人的にオススメしたいのは、サングラスとしてだけでなく、広くメガネ用のものも含めて自分にあうフレームを探し、それにTALEXレンズを入れてもらう、という方法です。
フレームを選び、レンズカラーを選び、自分好みのサングラスを作る、ってのが、なかなか楽しいのです。
この方法であれば、例えば近視の人なら度付きの偏光グラスを作る、といったこともできます。
TALEXレンズを入れた偏光グラスは、以下のページで紹介されているお店で作ることが可能です。

全国のTALEX PROSHOP | タレックス | TALEX
http://www.talex.co.jp/order/proshop

番頭はこれらPROSHOPのうち、上野の「オードビー」さん、目白の「スエナガ」さんの2軒を利用したことがあります。
「オードビー」さんはサングラス専門店として、素敵なフレームの品揃えが素晴らしく、一方、「スエナガ」さんの店主、末永さんは、W.B.S.のトーナメントに出場するほどの釣り好きで、実体験に基づいたレンズカラーへのアドバイスが的確です。また、眼鏡専門店として、かけ心地の調整をはじめとするメンテナンスをものすごく丁寧に行ってくれるのも最高ですよ。


現在、番頭は偏光レンズが入ったサングラスを2本持っています。
1本ははじめからTALEXレンズの入った既製品で、ティムコの「サイトマスター シャープF-Ti」という、もう10年近く前の製品。
もうひとつは、昨年の夏に「スエナガ」さんで作ってもらったスエナガオリジナルフレーム+TALEXです。
「サイトマスター」には「ラスターブラウン」、スエナガさんのには、「イーズグリーン」が入っています。
かけ比べてみると、単純に色が違うのに加え、それぞれに見え方が微妙に違っておもしろいですよ。
谷あいの渓流では日向と日陰で光量の差が激しく、こういったところでは明るい「イーズグリーン」は最高です。
一方、快晴時の海釣りや、水面を見続けるウキ釣りなどでは可視光をより抑えてくれてコントラストが強調される「ラスターブラウン」のほうが向いていますね。
どっちも非常にお気に入り。
無理してでも高いものを買った甲斐があったなぁ、って思っています。


釣具は釣りをしているときだけの相棒ですが、偏光グラスは日常を含めたより長い時間の快適さをもたらしてくれます。
このエントリーが、サングラスや偏光グラスを選ぶときの参考になれば、幸いです。
ぜひお気に入りの偏光グラスを手に入れてください。



さてさて。
当「Hello the Masking Face」では、WEBショップにおいて、当ページの写真アルバムで紹介しているビンテージなリールを販売中です。

「Hello the Masking Face」Webショップ
http://maskingface.theshop.jp/

軽さやギアの滑らかさなど、絶対的な性能では最新のリールに適わない部分もありますが、その分、今の製品にはない優美な装飾やユニークな機能を持ったものも少なくありません。
釣りという遊びで使う道具ですから、絶対的な性能を追い求めるだけでなく、こうした道具の“味”を楽しんでみてはいかがでしょう?

皆さまのご利用、お待ちしています。
それでは、「Hello the Masking Face」をどうぞご贔屓に。


奥がティムコの「シャープF-Ti」、手前が「スエナガオリジナルフレーム+イーズグリーン」です。