Hello the Masking Face 店主敬白&番頭日記

釣具を扱うビンテージタックルウェアハウス「Hello the Masking Face」の主と番頭が綴る日記です。

番頭日記20170914 台風とハンドスピナー。

どうもどうも。番頭です。
渓流もあと半月で禁漁となってしまうところが大半。
秋ですねぇ。
皆さん、釣りに行ってますか?
今回はベイトリールのチューニングについて、です。
 
クラッチを切った状態でスプールを指で弾いたときに、どれだけ長時間回転し続けるか。
一昔前までこれが高性能なベイトリールの証のように言われてきたワケですけど、これって、いいベアリングをつけて機械的な摩擦を減らしたうえでスプールを重くすれば、いくらでも実現できるんですよね。
極端な話、一部のプロアングラーや釣具屋のオヤジはスプールの見えないところにオモリを貼り付けて「ほら、こんなに回り続ける! スゴいでしょ!」なんて言ってリールを売ってきたワケです。
 
でも、そういうリールを実釣に使うと、どうなるか。
非常に使いにくいのですね、これが。
スプールが重いと、そのぶん、慣性が大きく働きます。
つまり、止まっているものは、止まり続けようとする力が、動き出したものは、動き続けようとする力が、より強く働きます。
具体的に言うと、キャストの際に、スプールの動き出しが悪くなり、さらにはルアーの着水後も、回転はなかなか止まりません。
動き出しが悪いということは、ルアーを飛ばすときに、より大きな力が必要であることを意味します。
カンタンに言うなら、軽いルアーが投げにくくなる、ということです。
 
また、ルアーが着水してラインの放出が止まっても、スプールだけは回り続けようとするために、バックラッシュは起きやすくなります。高性能ベアリングを入れるなどの工夫で回転性能を上げていればなおさらです。
バックラッシュが起きないようにするためには、より強いブレーキをかける必要がありますから、けっきょくはルアーの飛距離はさほど伸びないどころか、ブレーキ調整がとてもシビアな使いにくいリールになってしまいます。
 
最近はバス釣りや渓流でのミノーイングでの「ベイトフィネス」という流れを受けて、アフターパーツとして軽量であることをセールスポイントにした替えスプールが売られるようになってきました。
厳密に言うと構造によっても慣性の働きには違いが出るため、そう単純な話でもないのですが、基本的には軽いスプールに変更することで、軽いルアーでも気持ちよくキャストでき、バックラッシュも起きにくくなることが期待できます。
軽量スプールへの交換は、とても実釣向きのチューニングと言えるでしょう。
 
が、しかしですよ。
スプールが軽くなって慣性の働きが小さくなるということは、クラッチを切った状態でスプールを指で弾いても、動き出しこそ軽くなるものの、あんまり長時間回ってくれなくなる、ということでもあるのですね。
メンテナンスをしていると、これがかなり寂しかったりするのです。
 
高性能なベアリングと低粘度オイル、さらに外周にオモリを貼って徹底的に慣性を高めたスプールを組み込む。
釣りに行けないときに遊ぶ釣り人専用のおもちゃとして、そんなハンドスピナーみたいなベイトリールを組んでみるのもいいかな?
 
連休に合わせるかのように日本列島を直撃しそうな台風の渦巻きを見て、ふとそんなことを考えていたのでした。
 
さてさて。
「Hello the Masking Face」のWebショップでは、1960年代から1990年代のものを中心に、懐かしさあふれるリールを販売しています。また、Webショップにならべていない在庫もございます。
ご所望の機種がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
 
「Hello the Masking Face」Webショップ
 http://maskingface.theshop.jp/ 

maskingface.theshop.jp

 
当店で扱っているようなリールは生産を終えてから、10年、20年、30年と経たものばかり。釣具屋へ行けば買えるようなものではなく、まさにその出会いは「縁」としか言いようがありません。
これら品揃えに、ご縁を感じるものを見つけていただけたなら、幸いです。
 
皆さまのご利用、お待ちしています。
「Hello the Masking Face」をどうぞご贔屓に。

番頭日記20170817 感電注意。

どうもどうも。番頭です。
関東地方では8月に入ってから雨ばかりが続いています。
皆さん、釣りには行かれてますか?
もう1か月近く前になるのですが、こんなニュースを見かけました。
海外の掲示板「reddit」で、雷が落ちた釣竿の写真が話題になっている、というのです。

news.livedoor.com
近代の釣り竿はガラス繊維だったりカーボン繊維、まれにボロン繊維を素材として織り交ぜています。
このうち、ボロンとカーボンには通電性があり、高い電圧がかかると電気を通してしまい、発熱、繊維をまとめ上げている樹脂をもやし、ついでに繊維そのものも焦げ、こんな状態になってしまうのですね。
幸い、けが人などは出なかったようですが、釣竿をきっかけとした感電事故というのはけっこう起こっているのです。
少し古い記事なうえ、アメリカでの話ではあるのですが、2006年から2012年までのあいだに釣りの最中に落雷で亡くなったかたは26人もいるのだそうです。
 

io9.gizmodo.com 
同期間のレジャーにおける死者の数で言えば、キャンプやボート遊び、サッカーなどを押さえてトップということになります。意外なことにゴルフのプレイ中に落雷で亡くなったかたは、たった8人。なんと釣りの1/3以下なんですね。
ゴロゴロと雷鳴が聞こえてきたら、すぐさま撤収にかかるのが吉と言えるでしょう。
 
ところで。
釣りをしているときに、雷鳴や稲光がなくとも雷の接近に気付けることがある、って、ご存じでしたか?
細くて軽い釣り糸を使ってる場合、雷雲が近づき、空気が帯電してくると、その釣り糸がふわふわと空中を漂い、下に落ちていかないことがあるのです。
この現象については今からもう20年ぐらい前にとあるバスプロのかたが釣り雑誌のなかで語っていました。
河口湖みたいな場所で細糸を使っているときに雷が近づいてくると、キャスト後にフリーになったラインがするするとリールから出て行き、空中を漂うことがある、とのこと。
静電気で髪の毛が逆立つのと同じような理由で起こる現象なのでしょう。
記事を読んで頭に浮かんだその不思議な光景は、ずっと頭の片隅に残っていました。
 
実は番頭、これとほぼ同じことを、数年前に体験しているのです。
南信の山中で釣りをしていたときのこと。
投げたルアーが着水してるのに、ラインだけが重力に逆らって水面へと落ちていかず、不自然な動きをしているのです。
「蜘蛛の巣にでも引っかかったか? いや、そうじゃない。これはもしや!?」
キャストからこの判断まで、ほんの1~2秒くらいだったでしょうか。
稲光と雷鳴が真上で起こったのは、その直後のこと。
釣友にも声をかけて慌ててクルマへと退避しました。
今どきの高性能な雨具があれば、特に夏は雨のなかでもさして不快な思いをせずに済みますが、雷は防げませんからね。
 
もうひとつ、釣りの最中の感電、ということでついでに触れておきますが、雷とともに気をつけなければならないのが、高圧線です。
釣竿で高圧線に触れてしまい、感電する、という事故が過去に何件か起こっています。
特に鮎の友釣りでは、カーボン製の10メートル前後の長い竿を使うので、ことさら注意が必要でしょう。
以前、電車の架線に釣竿が触れたことを想定した実験映像を観たことがあるのですが、前述のように竿がいきなり原型を失い、繊維のカタマリになるまで、まさに一瞬。
「爆発」としか表現できないような現象でした。
高圧線にせよ、落雷にせよ、釣りをしているときの事故としてぜひ気をつけたいものです。
 
落雷による事故がもっとも多いのは、7月と8月だそうです。
ぜひ皆さま、釣りに出かけた際には、高圧線の有無や、天候などにもぜひ十分なご注意を。
 
 
さてさて。
当店ではクローズドフェイススピニングリールなど、懐かしいリールを販売中です。WEBショップにならべていない在庫もございますので、ご所望の機種がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
 
「Hello the Masking Face」Webショップ

maskingface.theshop.jp
また、当Blogのほか、Facebookページも運営中です。
販売中および過去に販売したリールの写真をアルバムとしても公開しています。
ぜひそちらもご覧になってください。

「Hello the Masking Face」Facebookページ
https://www.facebook.com/themaskingface/

当店で扱っているようなリールは生産を終えてから、10年、20年、30年と経たものばかり。釣具屋へ行けば買えるようなものではなく、まさにその出会いは「縁」としか言いようがありません。
これら品揃えに、ご縁を感じるものを見つけていただけたなら、幸いです。
 
皆さまのご利用、お待ちしています。
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店主敬白20170811 プラスチックワームがもたらすもの

おひさしぶりです。店主石田です。
私はプラスティックワームを絶対に使いません。以下のblogには、その理由が書かれています。

boupro1.blog.jp
しかし、この記事もこの記事がリンクしているリンク先の記事も、もう少しその先の大事な事が書かれていないと思います。

プラスティックワームは金属片のルアーと違い、水底に漂っているだけでもユラユラと魚を誘うので、捨てられたワームは釣り人の手を離れてからも魚に食べられてしまいます。
魚が食べて何が問題になるか。

・消化されないので胃袋の中に永久に滞在、次々取り込むワームで胃が一杯になる
・腸に進めば詰まって腸閉塞になる
・そのワームがまだ釣り糸/釣り針に繋がっていて釣り糸が水底に絡んでいた場合、それを食べた魚は釣り針にかかりその場所から永久に動けなくなる
・上記のことが魚だけでなく鳥にも亀にも多くの生物に起こる

この先にあるのは確実に「変死」です。

我々は魚が好きで釣りをしますが、その好きな対象に強烈なダメージを与えるプラスティックワーム。確かに安いし良く釣れますが、こういう害があるとわかっていて、故に禁止にしている水域も多くなりました。25年前に私にこのことを私に啓蒙してくれたプロショップハシモトの橋本師匠の伝えてくれた名言は、「そうまでして魚が欲しいか」でした。

これほどまで害のあるワームを使用してまで魚が釣りたくて、そうまでして釣れたバスはいはないからリリースされる。
この歪みに耐えられなくて25年前にバス釣りを辞めました。

捨てられたり根掛かりして水底に残ったワームはバスに限らず水辺の多くの生き物にこうした害を与えます。魚や自然を愛する人間が使うべきものではないと私は思うのです。

生餌ではなくわざわざ疑似餌を使って魚を釣るという行為は、餌でないものを自分で動かして魚を魅了して口を使わせるという知恵と腕にこそ意味がある釣りで、非常に志しの高い釣り方である筈です。
故にスポーツフィッシングとかゲームフィッシングと言われてきました。
決して食べ物としては興味がない魚を釣る事だけに注視するからスポーツフィッシングと言っているわけではなかったはずです、少なくとも90年代に爆発的釣りブームが起こって日本中でバスがゲリラ放流される前までは。

私は自分の志しにおいて、安易に魚が釣れしかも自然環境にダメージが大きいプラスティックワームを使いません。ワームを使うくらいなら生餌で釣りをします。

追伸:淡水だけでなく海でも同じことですからね

追伸2:生化学分解されるワームだって分解されるまでに60日やら90日やらかかりますから水底に沈んだそれを生き物に食われるには十分過ぎる時間ですね

番頭日記20170802 覆面リールの実釣動画を2点ご紹介。

どうもどうも。番頭です。

いつの間にかもう8月ですか。早いものです。

先日のこと、覆面なリールを愛する当店としては見逃せない映像をFacebookで拝見しました。

 

www.facebook.com

キャスト、リールからラインを引き出してルアーを沈め、リトリーブを開始。魚がかかったら巻き合わせをして、キャッチ、と、一連の動作のなんとスムーズなこと。
ロッドとリールはTAILWALKの「CAMPY C502L-Pi」ですね。

TAILWALK「CAMPY」

http:// http://www.tailwalk.jp/bass/campy/


身長の低いお子さんでも、さらにはボートの上でも取り回しがとてもしやすそうです。
もう50近い紛う事なきおっさんである番頭ですが、赤とかピンクがけっこう、いや、大好きなもので、この「CAMPY」、カラーリングも惹かれます。
実は前々からちょっと気になっていたんですよね。
 
そしてもう1点。
倒木に腰掛け、釣りを楽しむ小さな女の子と男性の映像です。
こちらもクローズドフェイスリールを使っています。
リーリングを続ける女の子の竿先がぐんぐんと曲がり、どうやら魚が釣れたようですが……。
 

www.facebook.com

その先の展開が可愛らしくてもう!
この映像もまた、いい思い出になりそうですね。
 

さてさて。
「CAMPY」こそ取り扱っていないのですが、当店では映像のなかで使われているようなクローズドフェイスリールを販売中です。また、以前にも書きましたように、WEBショップにならべていない在庫もございます。
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「Hello the Masking Face」Webショップ

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当店で扱っているようなリールは生産を終えてから、10年、20年、30年と経たものばかり。釣具屋へ行けば買えるようなものではなく、まさにその出会いは「縁」としか言いようがありません。
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番頭日記20170729 「Abumatic 270」の販売を開始しました。

どうもどうも。番頭ですよぅ。
もうじき日付が変わろうとしてる時間なのに、部屋が蒸し暑くて泣きそうです。
いや、素直に冷房の設定温度を下げればいいんですけどね。
そうすると、今度は足下が冷たく感じられて、それもまた不快で……。
どうしたらいんでしょね?
ところで。
オートシンクロドラグ機構を搭載した銘機、「Abumatic 270」の販売を開始しました。「Abu 506」の姉妹機である本機は、ガンメタリックのフロントカバーが渋い逸品です。

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この「Abumatic 270」は、1956年から続く「Abumatic」の長い歴史において、ある意味、孤高とも言える存在であるのは、ご存じでしょうか?
1960年代以降のAbuは、クローズドフェイスリールの「Abumatic」とともに、クローズドフェイススピニングリールの「500」シリーズに力を入れていました。
ここでご紹介している「Abumatic 270」は、「500」シリーズの代名詞とも言える「Abu 506」の姉妹機であり、「506」と同様、ほかの「Abumatic」には見られない独自のドラグシステム、「オートシンクロドラグ」が採用されているのです。

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1980年代くらいまでの「Abumatic」シリーズの多くの機種には、「シンクロドラグ」というドラグシステムが採用されています。ハンドルを1/4回転ほど逆回転させることで瞬時にドラグが設定の1/4ほど緩み、不意の大物がかかったときなどのラインブレイクを防ぐ、Abuのリール独自の機構です。
これをさらに一歩推し進めたのが、「オートシンクロドラグ」。逆回転させる必要なく、ラインにテンションがかかった状態でハンドルから手を離しただけで、ドラグが緩むようになっているのです。
分解してみるとわかるのですが、オートシンクロ機構を実現するためのキーとなる部品は、たった2点。
ハンドルの基部とそこに接するワッシャが波を打った形状になっていて、ハンドルを巻くときはきつく噛み合い、ハンドルから手を離した状態でラインテンションがかかると、そこがスライドして緩むようになっています。
たったこれだけの部品でこんなにもスタイリッシュで先進的な機構を実現していることに驚きを禁じ得ません。
しかも、「Abu 506」の発売が1968年ですから、オートシンクロドラグが開発されたのは、今から半世紀も前。ここにはAbuというメーカーの凄みが凝縮されていると言っても、過言ではないでしょう。
もちろん、本機「Abumatic 270」にはラインを均等に巻くためにスプールを前後させるオシュレート機構も搭載され、基本的な部分の完成度も「Abumatic 170」などと同様、非常に高いレベルにあります。
クラシカルなAbuが好き、という人であるなら、ぜひ「Abu 506」とセットで持っておきたい。「Abumatic 270」はそんな1台だと言えるでしょう。

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さて、この個体の状態ですが、サイドプレート裏側にある刻印は「740200」。
1974年02月の製造だと思われます。
40年以上も前に作られ、実釣に使われてきた道具として考えると、全体的にキズやペイントのロスは非常に少なく、綺麗です。
今回、すべての部品を取り外して洗浄し、注油しなおしました。
なにせ40年も前の機械ですから、現代のリールと比べると、メカニカルノイズは大きめです。しかし、異音などはまったくせず、動作も非常にスムーズ。
もちろんオートシンクロドラグもきちんと動作し、部品の欠品、ギアなどの欠損、偏摩耗などまったくありません。機関は外見以上に良好な状態です。
実釣にもコレクションにも好適な1台と言えるのではないでしょうか。

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なお、ここで紹介している以外にも、「Abumatic 270」の写真をFacebookのアルバムとして公開しています。
この機種に興味を持たれた方は、ぜひご覧下さい。

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さてさて。
この「Abumatic 270」以外にも当店では懐かしいリールをいくつも販売中です。また、以前にも書きましたように、WEBショップにならべていない在庫もございます。
ご所望の機種がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
 
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当店で扱っているようなリールは生産を終えてから、10年、20年、30年と経たものばかり。釣具屋へ行けば買えるようなものではなく、まさにその出会いは「縁」としか言いようがありません。
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番頭日記20170723 「Shakespeare President II 1982」販売開始。

どうもどうも。番頭です。
ひさびさに当店お気に入りの「Shakespeare President II」を売りに出しました。
なぜか日本ではあまり陽の当たらない存在であるShakespeareシェイクスピア)が誇るベイトリールの名品「Shakespeare President II 1982」です。
さすがに40年前のリールですから使用によるキズはありますが、
「夏の日差しの下ではまぶしくて使えないんじゃないか?」
そんな余計な心配をしてしまうほど、ぴかぴかに磨き上げました。
なかなかの見栄えじゃないでしょうか?
 

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Shakespeare社のベイトリール「President II」には、「1980」「1981」「1982」「1984」の4つのモデルがあり、このうち「1981」と「1982」はサイドプレートに軽合金が使われたライトウェイトモデルで、「1982」にはナロースプールが採用されています。
「Abu Ambassadeur」シリーズでいうと5000と2500クラスの中間くらい、といったサイズ感でしょうか。
「President II」をはじめとするShakespeareのリールは左右非対称のボディ形状がひとつの特徴。ハンドルの反対側ボディが一回り小さく作られているため、見た目のサイズ感よりパーミングがしやすく、とても実用的です。
糸巻き量は当時の表記で15lbラインを120yds(約109.7m)巻けることになっています。
手元のスケールで計測したところ、実重量は223gでした。

 

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さて、この個体の状態ですが、キズがとても少なく、非常に綺麗な状態です。
リールフットに「MODEL DB」と刻印されていることから、1979年製造である可能性が高いのですが、それが正しいとすれば作られてからすでに40年近くが経過しています。
使用に際してできた置きキズ、あるいは指が触れていた場所などの塗装の擦れ、ハゲなどはありますが、いずれも製造されてからの年月を考えれば軽微と言っていいものです。
クラッチ周りの部品、スプリングなどもヘタリ、欠け、目視できるような摩耗もありません。このシリーズならではのしっかりした動作感が得られます。
実釣はもちろん、コレクション目的にも最適な一台ではないでしょうか?
 

ここでちょっと余談を。
この「President II」を見て、「どこかで見たような?」なんて思ったかたはいらっしゃいますか? そう、ボディのカラーリングなど細部こそ違いますが、基本構造は、日本で未だに高い人気を誇るビンテージリール「Pflueger 2600 / 2800」にそっくりなのです。
ここで、「なんだパクリかよ」と思うのは、あまりに早計。
実際は逆で、「Pflueger 2600 / 2800」はShakespeareOEM商品なのです。
本来であればOEM元のShakespeareの人気がもっとあってもよさそうなものですが、ではなぜ日本ではこんなにPfluegerばかりがもてはやされるのか?
それにはちょっとしたヒミツがあるのです。
この辺りの経緯については、当店のBlogに主が記した文章をぜひご一読ください。
外見と基本構造こそそっくりな「Pflueger 2600 / 2800」と「Shakespeare President II」ですが、実は内部を見てみると、特にクラッチ周りにおいてその違いは歴然。一部の部品が樹脂製に置き換わっているうえ、部品点数が「Pflueger」製品は圧倒的に少なく、簡略化されているのです。
以下のBlog記事でその比較写真を掲載しています。

日本では未だPfluegerより下に見られがちなShakespeare製品ですが、実際はどうであったのか?
そんなことに思いを馳せながら、このリールを手に取っていただければ幸いです。



さてさて。
この「Shakespeare President II 1982」以外にも当店では懐かしいリールをいくつも販売中です。また、以前にも書きましたように、WEBショップにならべていない在庫もございます。
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番頭日記20170623 ちょっと便利に思っているアイテム2点を紹介。

どうもどうも。
ご無沙汰しております。番頭です。
 
梅雨入りしたという割には雨が降らないねぇ、なんて言ってたら、台風並の暴風雨が吹き荒れてみたり。
関東の山は渇水気味のところが多く、この時期にちゃんと雨が降って欲しいところなのですが、なんだか「梅雨らしい梅雨」、とはいかないようです。
皆さま、釣りには行かれてますか?
今日はクローズドフェイススピニングリールを使う上で、ちょっと便利だな、と思っているアイテムを紹介したいと思います。
 
「500」シリーズをはじめとするAbuのクローズドフェイススピニングリールは、気軽にスプールを交換できる構造になっているのがひとつの特長です。
特に、「706」や「506 MKII」といった最近の機種では購入時にスプールが4つくらい付属していて、用途によってラインの種類や太さを使い分けることが容易になっています。
 
番頭の場合、クローズドフェイススピニングリールの主な使い道は、渓流でのミノーイング。なのですが、川の合間にダム湖でルアーを投げてみたり、また、流れの強い本流筋なんかを攻めたりなんてこともします。
そんなときは、あらかじめ用意してあったスペアスプールに交換し、ラインの太さや種類を変えて対応するのですね。
そのため、釣場にはいつも2~3のスペアスプールを持っていくことになるのですが、巻いたラインがバラけず、また、複数のスプールをコンパクトにまとめておける方法をずっと模索していました。
 
で、いろいろ探し、使ってみて「これがベストかな?」と現状で思っているのが、今回紹介する、2つのアイテムです。
まずひとつが、リトルプレゼンツの「シリコンスプールバンドM」、そしてもうひとつが、写真用品メーカー、HAKUBAの「ネオプレンレンズケースS」。
これらがもう、自分のなかではかなりのヒット、なのです。
 

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まず「シリコンスプールバンドM」ですが、文字通りのシリコンバンドで、幅が狭く、内径についてもクローズドフェイススピニングリールにぴったり。
幅に関してはあと1~2mm細くなると完全にスプールの溝にハマってさらに使い勝手がよくなりそうなのですが、そこまで贅沢を言うのも、ねぇ?
これ、さらに素晴らしいのが半透明であること。
どんなラインが巻いてあるのか、うっすら見えるんです。
今回紹介している写真のようにスプールがまるっきり違っている場合、ラインの色がほとんど同じ場合にはあんまり意味がないですけど、まったく同じ形状のスプールを使い分けるときなんかはとても重宝します。
 
そして、もうひとつの「ネオプレンレンズケースS」。
これはもともとミラーレスなデジタルカメラのコンパクトな交換レンズを入れるためのものなので、「S」「M」「L」と3種類の大きさが発売されています。
このうち「S」が、「500」シリーズをはじめとするクローズドフェイススピニングリールのスプールにぴったり。まるで専用であつらえたかのように2個が綺麗におさまるんです。
レンズ用としてそれなりの厚みのあるネオプレーンでできているので、釣場で落としてしまってもスプールが歪んだり割れたりする心配をあまりせずに済むうえ、カラビナもついていて、携行性もばっちりなところがまた、たまりません。
 
もちろん、「シリコンスプールバンドM」はふつうのスピニングリールに用いてもかなり使い勝手のいい製品です。
また、「ネオプレンレンズケース」は本来のレンズケースとしての用途には最適ですし、サイズによってはやっぱり普通のスプールが綺麗に収まったりします。
クローズドフェイススピニングリールを使っていない方にも、何らかの参考になればいいな、と思ってご紹介してみました。
 
 
さてさて。
先日ご紹介した「Abumatic 30」は、WEBショップに並ぶこともなくお問い合わせいただいていたお客様のところへ、無事嫁いで行きました。
以前にも書きましたように、WEBショップにならべていない在庫もございます。
ご所望の機種がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
「Hello the Masking Face」のWEBショップでは、懐かしさあふれるリールを販売中です。
 
「Hello the Masking Face」Webショップ

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当店で扱っているようなリールは生産を終えてから、10年、20年、30年と経たものばかり。釣具屋へ行けば買えるようなものではなく、まさにその出会いは「

縁」としか言いようがありません。
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「シリコンスプールバンドM」は半透明でラインの色がわかるのも利点。
バンドの幅があと1~2mm細いとさらに使い勝手が向上しそうなのですが、それは贅沢というもの。
内径がぴったりで見事に役目を果たしてくれます。

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「ネオプレンレンズケースS」にはこのようにクローズドフェイススピニングリールのスプール2個がぴったりと収まります。

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もともとレンズ用という設計なので、フラップが不用意に開かないよう、面ファスナーのロックが二重についていたりと、「ネオプレンレンズケースS」はなかなかしっかりした設計です。藪漕ぎのときにどこかに引っかけてフラップが開く、なんてことがありません。

 

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「シリコンスプールバンドM」はこんな感じで2本がセットになって売られています。
番頭は池袋のサンスイで購入しました。