Hello the Masking Face 店主敬白&番頭日記

釣具を扱うビンテージタックルウェアハウス「Hello the Masking Face」の主と番頭が綴る日記です。

番頭日記20170723 「Shakespeare President II 1982」販売開始。

どうもどうも。番頭です。
ひさびさに当店お気に入りの「Shakespeare President II」を売りに出しました。
なぜか日本ではあまり陽の当たらない存在であるShakespeareシェイクスピア)が誇るベイトリールの名品「Shakespeare President II 1982」です。
さすがに40年前のリールですから使用によるキズはありますが、
「夏の日差しの下ではまぶしくて使えないんじゃないか?」
そんな余計な心配をしてしまうほど、ぴかぴかに磨き上げました。
なかなかの見栄えじゃないでしょうか?
 

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Shakespeare社のベイトリール「President II」には、「1980」「1981」「1982」「1984」の4つのモデルがあり、このうち「1981」と「1982」はサイドプレートに軽合金が使われたライトウェイトモデルで、「1982」にはナロースプールが採用されています。
「Abu Ambassadeur」シリーズでいうと5000と2500クラスの中間くらい、といったサイズ感でしょうか。
「President II」をはじめとするShakespeareのリールは左右非対称のボディ形状がひとつの特徴。ハンドルの反対側ボディが一回り小さく作られているため、見た目のサイズ感よりパーミングがしやすく、とても実用的です。
糸巻き量は当時の表記で15lbラインを120yds(約109.7m)巻けることになっています。
手元のスケールで計測したところ、実重量は223gでした。

 

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さて、この個体の状態ですが、キズがとても少なく、非常に綺麗な状態です。
リールフットに「MODEL DB」と刻印されていることから、1979年製造である可能性が高いのですが、それが正しいとすれば作られてからすでに40年近くが経過しています。
使用に際してできた置きキズ、あるいは指が触れていた場所などの塗装の擦れ、ハゲなどはありますが、いずれも製造されてからの年月を考えれば軽微と言っていいものです。
クラッチ周りの部品、スプリングなどもヘタリ、欠け、目視できるような摩耗もありません。このシリーズならではのしっかりした動作感が得られます。
実釣はもちろん、コレクション目的にも最適な一台ではないでしょうか?
 

ここでちょっと余談を。
この「President II」を見て、「どこかで見たような?」なんて思ったかたはいらっしゃいますか? そう、ボディのカラーリングなど細部こそ違いますが、基本構造は、日本で未だに高い人気を誇るビンテージリール「Pflueger 2600 / 2800」にそっくりなのです。
ここで、「なんだパクリかよ」と思うのは、あまりに早計。
実際は逆で、「Pflueger 2600 / 2800」はShakespeareOEM商品なのです。
本来であればOEM元のShakespeareの人気がもっとあってもよさそうなものですが、ではなぜ日本ではこんなにPfluegerばかりがもてはやされるのか?
それにはちょっとしたヒミツがあるのです。
この辺りの経緯については、当店のBlogに主が記した文章をぜひご一読ください。
外見と基本構造こそそっくりな「Pflueger 2600 / 2800」と「Shakespeare President II」ですが、実は内部を見てみると、特にクラッチ周りにおいてその違いは歴然。一部の部品が樹脂製に置き換わっているうえ、部品点数が「Pflueger」製品は圧倒的に少なく、簡略化されているのです。
以下のBlog記事でその比較写真を掲載しています。

日本では未だPfluegerより下に見られがちなShakespeare製品ですが、実際はどうであったのか?
そんなことに思いを馳せながら、このリールを手に取っていただければ幸いです。



さてさて。
この「Shakespeare President II 1982」以外にも当店では懐かしいリールをいくつも販売中です。また、以前にも書きましたように、WEBショップにならべていない在庫もございます。
ご所望の機種がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
 
「Hello the Masking Face」Webショップ

当店で扱っているようなリールは生産を終えてから、10年、20年、30年と経たものばかり。釣具屋へ行けば買えるようなものではなく、まさにその出会いは「

縁」としか言いようがありません。
これら品揃えに、ご縁を感じるものを見つけていただけたなら、幸いです。
 
皆さまのご利用、お待ちしています。
「Hello the Masking Face」をどうぞご贔屓に。

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